他人の口臭は敏感に感じ取ってしまいますが、自分の口臭はなかなか分からないもの。「もし自分にも口臭があるのかな」と思うと直ぐに歯磨きに直行なんて人もいるのも確かです。

口臭を防ぐのはエチケットと分かりきっていますが、今口臭があるのかが分からないのがつらいですね。特に身近でおしゃべりしていて相手が顔を背けるような場面に出くわすとちょっと恥ずかしい気分になってしまいます。

また、自分ではモノを口に入れた後は歯磨きやマウスウォッシュを励行していても口が臭いと言われることも。こななるともう自分では防ぎようがないですね。

口臭がある人の８０％以上は口の中に原因があり、そのほとんどは歯槽膿漏などの歯周病や虫歯、食事の食べかす、歯垢、歯石、舌苔（ぜったい）による口腔内の汚染にあります。あるいは口腔内の自浄作用の低下も考えられます。

これらの感染は歯牙、歯周組織に生じた炎症性の反応の結果、血球成分などの含硫アミノ酸に脱アミノ酸反応が起こり、硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの周期物質が発生することにより口臭がおこります。

単純に言えば、口腔内細菌により分解されてできた硫化物質が発生し口臭となります。

舌苔（舌の表面に生成された白っぽい垢）も歯石歯垢と同様に細菌の塊で臭気物質を生成します。また鼻の病気などによる口呼吸が盛んな場合には、口の中が乾燥することによって口臭が発生することもあります。

口臭に魚の臭いがある場合は、魚臭症候群といい、魚臭が残るるたんぱく質のトリメチルアミンを無臭の副産物に転換する消化酵素である転換酵素遺伝子が欠けているため，肝臓におけるトリメチルアミンの酸化能の欠除によって起こります。

また一時的な口臭として、起床時口臭（眠っている間は、唾液の分泌量と環流が減少するために口中の細菌が増えることにより起きたばかりでは一時的に口臭がある），緊張時口臭（長時間緊張し続けている時に感じられる）加齢的老人性口臭（唾液の分泌量が減ため粘液性となる）などがあります。

口臭を訴えて病院を訪れる患者のなかで、特に医学的所見がなく口腔内の清掃状態は平均的以上に良好で他覚的に口臭を認めないものがあり自臭症といいます。実際には口臭を訴える患者群の80％が自臭症であると報告されています。

自臭症男女比は1：2で女性に多く，二つに大別され口臭神経症と口臭心身症があります。

口臭神経症は、几帳面であり自己中心的で勝ち気の人に多く、反面対人関係に不満葛藤を持ちやすく問題が生じるとその理由を口臭に求め、逃避するパターンです。

一方口臭心身症では、内気で自分の意志を明確に表現することが苦手の人に多く口臭神経症の人とは逆に問題が生じると自分を責めるようになります。

口臭症の方は精神的疾患ですので精神科に相談されると良いと思います。また、起床時の一時的なものは起床時に水を飲めば治まります。

気がつかない例として舌苔（ぜったい）による口臭が上げられます。これには、舌苔落としといわれるヘラ上のものがドラッグストア等売っていますので、舌苔落しによる舌苔の清掃を週に１回くらい実施するとよいでしょう。

その他、通常の口臭では飲食の後、歯磨きとマウスウォッシュを励行すれば口臭は予防できます。